はい、どうもzirbです。
今回はですね、急遽インスピレーションが湧いたのでね、予定を変更して小説的なものを書こうと思います。
私の人生を元としてお話として面白くするために脚色を加えています。
こんなこと言っても信じて貰えないかもしれませんが筆者はここまで性格は悪くないし、自分が優秀な人間でないという事も気が付いています。
あるところに男がいた。
男は特別優秀な両親から生まれたという訳ではないが、変わり者で、どうやら知能が高いように思われた。
男は保育園では周りから博士と呼ばれ、小学校では授業を受ける以外は全く勉強をしていなかったが、テストでは満点以外を取るほうが珍しかったくらいである。
しかし、この時点では男は自分のことを少しは優秀だとは思っていたかもしれないが、天才であるだなどとは驕っていなかった。
男は地元の公立の中学校に進学した。
男の母親は男に中学校は小学校とは違い、しっかりと勉強をしなければテストで良い点は取れないと言った。
男は危機感と向上心を持ち中学校の初めてのテスト期間で少しではあるが勉強をした。
結果、男のテストの結果は学年200人中10位程の順位であった。
男は安心した。
所詮は中学校も大して難しくはないではないか、とそう考えた。
次の定期テストで男は手を抜いて一夜漬けでテストに挑んだ。
しかし結果はどうであろうか。
手を抜いたにも関わらず順位は20位ほどであった。
男はこう思った。
大して勉強をしなくても自分は上位10%程の位置にいることができるのだから勉強を頑張る必要などないのではないか、と。
それから男は大して勉強をせずに中学生の時間を過ごした。男の友人の中では男のことを順位こそ一番ではないが、地頭であれば一番であろう、とそう評する者もいた。
男はそれを誇りに思っていた。
自分より努力をしている者が自分より下の順位にいるということが堪らなく気持ちよかった。
努力していないのにも関わらず人より上に立てる自分の頭脳を誇りに思っていた。
男は親に買い与えられた過去問にもほとんど手を付けることはなく高校に進学した。
高校は中学とは違い、頑張る必要があるかもしれないと男は考えていた。
学問のレベルが上がっていることに加えて、同級生は今までとは違い、自分と同じくらいの入試成績を取った者が集まっているからである。
しかし男はろくに勉強せずに高校に受かっていたので一旦様子を見ることにした。
結果、男の順位は300人中100位ほどであった。
男はこの環境でも大して努力をしていないが半分より上の位置にいることに満足し、そのまま1年を過ごした。
努力をせずに人より上に立つ、それが自分の人生のあり方だ、自分は要領が良い、そう驕っていた。
ところで、男は運動部に所属していた。
しかし、ある時身体を負傷し文化部に転部した。
男は中学までの数学は得意であったがこの時、高校の数学はあまり得意ではなかった。
男が転部した文化部には数学が得意な人が多くいた。
その文化部はかなり自由な部活動であり、男達は部活動の時間を利用していて出された宿題を解いていた。
その過程で数学の宿題をこなすとき、男は部の友人から教えを受け、数学の内容を理解できるようになっていった。
それからというもの、男の順位はどんどん上昇していき、高校2年生が終わる頃には、模試で地元で最も頭の良いA大学においてA判定を取ったりもした。
ここでも男は周りの友人から褒められたりもした。この経験で、男の驕りはさらに拍車をかけ、やはり自分はその気になりさえすればとてつもなく優秀な成果を出せる天才なのだとさらに思いこむようになっていき、ほとんど努力することなく過ごしていた。
ついに、男も高校3年生になった。
流石の男でも大学受験の重要さは理解していた。
人生を決定づける就職、その就職の際に利用できる最強のカードである新卒のカード、そのカードの強さを決めるのが大学の学歴であると、男は理解していた。
男は努力をしようとしていた、しかし、夏休みから始めるだの、10月から始めるだの言って中々勉強を始めなかった。
男は違和感を感じていた。
ここが人生の大事な局面だということは理解している、勉強さえすればこの先の人生もうまくいく可能性が上がる、それなのに何故自分は勉強していないのだろう? いや、勉強をしようという気持ちはずっとあった。しかし出来なかったのだ。
そう、男はこれまでの人生においてほとんど努力をしてこなかったので努力をする事ができない人間になってしまっていたのである。
男は焦った。
このままでは自分は大学受験に失敗してしまうかもしれない。
男は11月、ついに親にこのことを話し、親に管理されながら勉強をすることにした。
しかし、根性無しの男は精々1日に2時間も勉強したら限界を迎えてしまっていた。
この時、男は地元で最も優秀なA大学の冠模試においてC判定であった。
C判定、合格可能性50%。
努力しなくても良いという考えには至らないであろう、男が勉強に励むには十分な数字であった。
男は悩んだ。勉強をするべきだということは十分過ぎるほどに分かっているのに体は動かないのである。 周りより優秀なはずの俺が上手くいかないなんてことはあってはならない。
男は勉強をせずに1日を終えるごとに精神をすり減らしていった。
そして精神をすり減らした男は決定的な選択をした。
A大学ではなく、その次に優秀なB大学を受験することにしたのだ。
A大学では、入試の理科において、物理と化学両方が必要なのだが、B大学の入試では男か得意とする物理のみで受験できるのである。
また、B大学の模試の判定はAやBであることに加えて、入試の配点上にも偏りがあり、数学と物理さえ出来れば受かると言っても過言ではなかった。
男は、これならば大して勉強しなくても受かることが出来るかもしれない、そう考えた。
男は努力をすることから逃げたのだ。
結局男は大学には合格するのだが、人生の最も大切な局面においてすら努力できない人間がいったいどこで努力することができようか。
大学では単位、というものがある。
一定の成績に満たないと単位が与えられず、単位が足りないと進学ができないこともある。
しかし、男は努力しなかった。
…否、努力できなかった。という方が正確である。
そして、悲しいかな男には大学において努力しないことを補い単位を取れるほどの地頭は無かった。
男は天才などではなかった。
それどころか地頭が良い部類の人間ですらない。
多少義務教育を要領良くこなすことに秀でた凡夫。
いや、凡夫ですらない。
最底辺の人間。
あらゆることから逃げ続け何も成せず、何者にもなれない最もたちの悪い人間。
それに違いなかった。
そして30年の時が流れた。
男の子供部屋から怒鳴り声が聞こえてくる。
男は大学をやめていた。
男はまだ自分を優秀だと勘違いし、株式投資(当然総合的には負けている)で一喜一憂をしながら、オンラインゲームで味方に文句を言いながら机を殴りつけて1日を終える、そうして過ごしていた。
はじめの頃は親も男を可哀想に思い、気遣ったり社会復帰を支援しようとしたが、ついに男のどうしようもなさに呆れ、諦めていた。
男はまだ、自分のことを優秀な人間だと思っている。
いや、本当は気がついているだろう。
しかし男は認めることが出来なかった。
それを認めるということは過去、自分が見下していた人達よりも、努力をしてもいない自分よりも下にいた人達よりも自分が下にいるということを認めるということである。
この驕った男にどうしてこれが認められるというのだろうか。
男の精神は限界だった。
男も気がついている、しかしそれを認めることは出来ない、毎日毎日惨めな日常を過ごし、自分は優秀だと自分に言い聞かせては涙を流し、抗鬱薬でどうにか精神の平静を保つ。
男は今日も部屋で叫び続けてる。
下の階では親の命は事切れ、男がこの先の人生を生き抜くことが出来ないという事も知らずに…
最後まで読んでくれてありがとうございます。
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私の人生もこうならない様に頑張らないといけませんね!
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